第13話 花束に込めた優しさ〜届け、心のあかり〜

神様

神様:「ハニャン、この前の運動会も良かったけれど、今日は“贈り物の優しさ”を見に行ってみないかい? もしかすると、そこから優しさの連鎖が見れるかもしれないよ。」

ハニャン:「優しさの連鎖!? わぁ〜…なんだかぽかぽかする響きだね!」

くぅちゃん:「よし、それじゃあ、優しさ探検のはじまりだ!」

ハニャンは胸の奥が、くすぐったいような楽しみでいっぱいになった。

──優しさが連鎖するところ、どんな光景なんだろう?

シーン1:花屋さん

小さな町の片隅にある花屋さん。

朝から店内いっぱいに広がる花の香りは、道を通る人たちの足をふと止める。

カウンターの奥では、年配の花屋さんが花瓶の水を替えていた。

手にしているのは、少し開きかけたピンクのバラ。

花びらを一枚そっとなでる指先は、とてもやさしい。

そこへドアのベルがチリンと鳴った。

花屋さん:「いらっしゃいませ」

入ってきたのは、少し緊張した様子の若い男性。

「…あの、妻への花束をお願いしたいんです」

声は小さいけれど、その中に強い思いが感じられた。

花屋さん:「どんなお花がよろしいですか?」

男性:「もうすぐ赤ちゃんが生まれるんです。病室に飾ったら…妻が笑顔になってくれるような花束を」

花屋さんの目がやさしく細くなった。

「それなら…」と、棚から明るい黄色のガーベラ、やわらかなピンクのバラ、真っ白なカスミソウを選び始めた。

花びらの色合いを確かめながら、花屋さんは心の中でそっと願う。

──どうか、この花束が奥さんの心をあたためますように。

ハニャンは、その願いがふわっと温かい光になって花たちに宿るのを見て、胸がぽかぽかしてきた。

「くぅちゃん、これが…贈り物の優しさ?」

くぅちゃん:「そうだよ、ハニャン。想いはこうやって形になるんだ。」

【ハニャンが見せた優しさと癒し】

この日はまだ何もしていないけれど、花屋さんの想いを全身で受け止めて、奥さんが笑顔になるように心の中で願った。

【ハニャンが学んだ優しさと癒し】

人は相手の笑顔を思い浮かべながら、その人のために何かを選び、丁寧に準備する。

その時間そのものが、優しさのあかりになるんだと知った。

ハニョンあとがき

優しさは、渡す瞬間だけじゃなく、その前から始まっています。

誰かを思い浮かべて選び、心をこめて準備する──その過程にこそ、大きなぬくもりがあるんです。

あなたも誰かのために何かを選ぶとき、その時間ごと贈ってあげてくださいね。

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