運動会のグラウンド。
さっきまでリレーで盛り上がっていた空気が、またピリッと緊張感に包まれている。
今度は「かけっこ」の決勝。
スタートラインに並んだ子どもたちの顔は真剣そのものだ。
「よーい……ドン!」
笛の音と同時に、一斉に走り出す子どもたち。
ハニャンは空の上から、くぅちゃんを抱えたまま目をこらす。
(あっ、あの先頭の子…すごく速い!)
でもその瞬間──
後ろの方で、ひとりの子が足をもつれて転んでしまった。
すると、1位でゴールできそうだった先頭の子が立ち止まり、くるりと振り返った。
そして迷いなく、転んだ子のもとへ走り寄った。
「だいじょうぶ?」
手を差し伸べ、肩を貸しながら2人で歩き出す。
周りからは「ああ、1位が…!」という声も聞こえたけれど、2人は笑っていた。
ゴールテープを切った瞬間──
大きな拍手がグラウンド中に響き渡った。
ハニャンの胸がぽわっと温かくなる。
(1位よりも、大事なもの…ちゃんとあるんだね)
【ハニャンが見せた優しさと癒し】
今日はハニャンはただ見守っていたけれど、その目はしっかり優しさを追いかけていた。
くぅちゃんを抱きしめる手にも、あの拍手と同じ温かさが伝わっていた。
【ハニャンが学んだ優しさと癒し】
誰かを助けるために、自分のチャンスや成果を手放す勇気。
それは損をすることじゃなくて、もっと大きな喜びを生むものなんだと知った。
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