夜中。
ママが目を覚ますと、赤ちゃんがぱちくりと目を開けていた。
「また起きちゃったのかな…」
そう思ってママが困った顔をしていると――。
ハニャンはくぅちゃんを抱きしめながら、赤ちゃんの声をそっと聞いた。
そこには、小さな小さな“ひみつのおしゃべり”があったんだ。
「きょうはね、ママといっぱいあそんだよ。
ミルクのんで、うんちして、ママがだっこしてくれて。
おひるねして、またあそんで、またミルクのんで…。
ぜんぶ、しあわせだったんだよ」
それは、赤ちゃんが天使修行を終えて、見守ってくれている天使たちへ伝えている「今日のしあわせ報告」だった。
だけど、時々赤ちゃんはふっと泣き出してしまう。
それはね――天界を思い出して、ちょっぴりさみしくなっちゃうから。
そのとき、ハニャンは赤ちゃんのそばに近づいて、耳元でそっとささやいた。
「だいじょうぶだよ。ママといっしょだからね。
これからも、たのしいことがいっぱいまってるよ。
ハニャンたちも、ちゃんとそばでみまもってるからね」
そう言いながら、ハニャンはくぅちゃんをなでなでしつつ、
お得意の“癒しの呪文”をとなえた。
「よしのこぽんぽん、なでぽよ〜ん。
にょりんにょりん、ぽんぽこぽんっ」
不思議な呪文に包まれると、赤ちゃんは安心したみたいに涙を止めて、
ママの胸の中でふわぁっと眠りに戻っていく。
ハニャンは小さな声でくぅちゃんに話した。
「ねぇ、よるにおきるのはママをこまらせるためじゃないんだね。
まいにちの“あたりまえ”が、赤ちゃんにとってはしあわせいっぱいなんだ」
そしてその夜も――。
赤ちゃんと天使たちとハニャンの、ひみつのおしゃべりが静かに続いていた。
【ハニャンが見せた優しさと癒し】
赤ちゃんが泣いてしまったとき、ハニャンはママを困らせるのではなく「天界を思い出して寂しくなっただけ」と理解して、やさしく寄り添った。
そして「大丈夫、そばにいるよ」と伝え、癒しの呪文で安心を届けた。
【ハニャンが学んだ優しさと癒し】
赤ちゃんにとっての“当たり前”――遊ぶこと、ミルクを飲むこと、お昼寝すること、うんちすること。
その全部が「しあわせな毎日」なんだと知った。
だからこそ、小さな日常を大切にすることが、癒しにつながると学んだ。
ハニョンのあとがき
夜中の赤ちゃんの夜泣きは、ママにとってつらくて不安な時間。
でも、その中に「今日のしあわせを報告する小さなおしゃべり」が隠れているとしたら――。
それはとても愛おしく、温かい時間に変わります。
赤ちゃんが見ているのは、ママの顔。
そして寄り添ってくれる天使たち。
「寂しさも幸せも全部わかちあえる存在がいる」という安心こそが、子育ての一番の支えになるのかもしれません。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。
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