夜。
赤ちゃんを寝かしつけたあと、ママは小さな声でつぶやいた。
「母親なんだから、ちゃんとしなきゃ…。
ご飯も掃除も、赤ちゃんに優しくするのも…笑顔でいなきゃ。」
けれど、その「〜しなきゃ」でいっぱいの気持ちは、ママの胸をぎゅっと締めつけていた。
「…私、ちゃんとできてるのかな。」
心の奥に、涙がにじみそうな不安が広がる。
ハニャンはママの頭の上をくるくると回りながら、心配そうに覗き込んだ。
「ママ、がんばろうがんばろうって思いすぎて…つかれちゃってるのかなぁ…」
すると、くぅちゃんが静かに心の声でつぶやく。
「“母親らしく”なんて、誰が決めたものでもないんだ。
ママがママでいること、それだけで十分なんだよ。」
その夜。
ママは夢の中で、優しい光に包まれるようにラファエルと出会った。
「“母親らしく”なんて言葉にしばられなくてもいいんだよ。」
「完璧じゃなくても、泣いたり弱音を吐いたり…それも“母親らしさ”の一部なんだ。」
「赤ちゃんに必要なのは、完璧なお母さんじゃなく、“あなたという存在”そのものなんだから。」
ママの頬を、一筋の涙が伝った。
「…そうか。私でいいんだ…」
翌朝。
ママはまだ少し不安を抱えたまま赤ちゃんを抱っこしていた。
その時、ハニャンが赤ちゃんのほっぺをそっとよしよし。
すると赤ちゃんがふにゃっと笑った。
「わぁ…笑った！」
その笑顔を見たママも、思わず笑顔に。
「そうだよね。この子にとっては、今の私で十分なんだよね。」
ママの胸に、やわらかな安心感が広がっていった。
くぅちゃんは静かにその様子を見つめながら、心の中でつぶやいた。
『うん…ハニャンの小さな行動が、ママにちゃんと届いたな。
母親らしさに答えなんてない。今のママで十分…赤ちゃんは幸せなんだ。』
【ハニャンが見せた優しさと癒し】
ママの不安を少しでも和らげようと、赤ちゃんをよしよしして笑顔を引き出した。
その笑顔がママを安心させ、優しさの循環を作り出した。
【ハニャンが学んだ優しさと癒し】
「母親らしさ」には正解はなく、その人自身がいるだけで赤ちゃんは幸せになれる。
完璧じゃなくてもいいことを学んだ。
K.ハニョンのあとがき
子育てをしていると、「母親らしくしなきゃ」というプレッシャーに押しつぶされそうになることがあります。
でも、赤ちゃんにとって大切なのは“完璧な母親”ではなく、“あなた”であること。
泣いても、弱音を吐いても、その姿はすべて「母親らしさ」です。
どうか、自分を責めずにそのままの自分を抱きしめてあげてくださいね。
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