第40話 天界でのフィードバック|臆病なハニャンが踏み出す“行動する天使”への第一歩

ハニャンは、胸をぽかぽかさせながら天界へ戻ってきた。

これまで見てきたママやパパ、赤ちゃんの姿が、心の奥にあたたかく残っている。

「神様ぁ!ハニャンね、たっくさん見てきたよ!」

両手をぱぁっと広げて、ハニャンは嬉しそうに報告する。

「ママの優しさがパパを癒して、パパの優しさがまたママを助けて、赤ちゃんもその優しさを受け取ってにこにこしてて……

やっぱり優しさってぐるぐる回って大きくなるんだね!」

神様はやわらかく微笑み、ゆっくりと頷いた。

「そうだね、ハニャン。よく気づいたね。それが“優しさの循環”なんだよ。」

その言葉に、ハニャンの胸はまたいっそう温かくなる。

神様は少し真剣な表情になって続けた。

「ハニャン。ここからは“見て学ぶ”だけじゃなく、自分で行動してみるといい。

 まだ人間にはハニャンの姿は見えないけれど……

 そっと撫でたり、優しく声をかけたりすれば、必ずその想いは伝わるはずだよ。」

「え!?……で、でも……」

ハニャンは目をまんまるにしながら、少し後ずさる。

「こっそり見てるだけなら大丈夫だけど……近づいて見つかっちゃったら……ハニャンちょっとこわい……」

その様子を見ていたくぅちゃんが、優しい声で言った。

「ハニャン、大丈夫。まだ見習い天使のハニャンの姿は、人間の目には映らないよ。

 姿は見られないけど、行動に移すことで必ず今まで以上に気持ちは伝わる。

 何かあっても、ぼくがついてるから安心しておやり。」

「……ほんとに?」

「ほんとだよ。」

くぅちゃんの落ち着いた声に、ハニャンのこわばっていた肩がふっとゆるむ。

「……うん。ハニャン、やってみる!」

ぎゅっと小さな手を握りしめ、ハニャンは決意の瞳を輝かせた。

K.ハニョンのあとがき

優しさを「見る」だけではなく、「自分で表す」ことは勇気がいります。

臆病さや不安は、誰にでもある自然な感情。

でも、その一歩を踏み出すことで、相手に伝わる想いはぐんと大きくなるのです。

ハニャンもついに、優しさを行動に移す一歩を踏み出します。

ここから始まる新しい物語を、ぜひ一緒に見守ってくださいね。

📖 天使ハニャンのことをもっと知りたい人は

👉 天使ハニャン公式Instagram @tenshi_hanyan_official

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