夜がふけ、赤ちゃんが静かに眠りについたあと。
パパがリビングで本を閉じ、ママの方へ顔を向けた。
「今晩は俺が見るからさ、ママはゆっくり寝てきていいよ。」
突然の言葉にママは目を丸くする。
「えっ……でも、夜中に泣いたらきっと気になっちゃうし――」
パパはにこっと笑って、そっと紙袋を差し出した。
「大丈夫。俺、明日休みだし。気にはなるだろうけど……だからこそ、ママにもしっかり寝てもらいたいと思って。
ほら、調べて買ってきたんだ。アイマスクと耳栓。評判いいやつらしいよ。」
ママは思わず口元を押さえた。
胸の奥がじんわりあたたかくなり、涙がにじむ。
「ありがとう……」
そうして、ママは少し戸惑いながらも寝室へ向かった。
アイマスクをつけ、耳栓をつけると、いつもより早く深い眠りに落ちていった。
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夢の中。
ママは星空の下に立っていた。
広い草原には光の粒のような天使たちが舞い、輪になって遊んでいる。
その真ん中に、笑顔の赤ちゃんがいた。
「今日はね、ママと一緒にお風呂したの。あったかくてね、すっごく気持ちよかったんだよ。」
「それからね、絵本を読んでもらったの。ママの声、ふわふわしてて、すぐ眠くなっちゃったの。」
赤ちゃんが天使たちに次々と「今日の幸せ」を報告している。
小さな声は、夜空に溶けるようにやさしく広がっていった。
夢の中のママは、ただ立ちつくし、その光景を見つめていた。
そこへ、背後から包み込むような気配が近づく。
「赤ちゃんはね、毎晩こうして天使たちに幸せを話しているんだよ。」
振り返ると、ラファエルがいた。
その瞳は深く、柔らかな光でママを照らしている。
「ママと過ごす何気ない毎日が、赤ちゃんにとっては大切な宝物なんだ。
だから大丈夫。あなたはちゃんと、ママをできているよ。」
その声は、胸の奥までしみこんでくるようだった。
ママの頬を涙が伝う。けれど、それは不思議と温かい涙だった。
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翌朝。
カーテンのすき間から、やわらかな光が差し込んでいた。
目を覚ましたママは、身体がふわりと軽いことに気づく。
キッチンではパパが朝ごはんを用意していた。
「おはよう。よく眠れた?」
ママは頷きながら、少し照れくさそうに笑った。
「うん……ねえ、昨日ね、夢を見たの。」
そして夢の中で見たことを話す。
赤ちゃんが天使たちに幸せを報告していたこと。
ラファエルが「大丈夫、ちゃんとできている」と言ってくれたこと。
話し終えたとき、パパはそっとママの手を握った。
「……そうか。きっとその通りなんだな。赤ちゃんにとっては、俺たちとの毎日が幸せなんだ。」
2人の間に、微笑ましい沈黙が流れた。
朝日が差し込むリビングで、夫婦の笑顔が静かに重なる。
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【ハニャンが見せた優しさと癒し】
ママの疲れを察して、パパが用意した「休むためのプレゼント」。
それは大げさなことではなくても、心を支える大きな優しさになりました。
【ハニャンが学んだ優しさと癒し】
「日常の小さな思いやりが、誰かの心を救う力になる」こと。
優しさは特別なものではなく、そっと寄り添う気持ちの中に宿るのだと気づきました。
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K.ハニョンのあとがき
子育ての中で「休む」ことは、つい後回しにされがちです。
でも、安心して休める環境をつくってくれる存在がいることは、何よりの癒しになります。
赤ちゃんの幸せは、ママとパパが笑顔でいることから広がっていくのだと思います。
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