神様
神様:「ハニャン、この前の運動会も良かったけれど、今日は“贈り物の優しさ”を見に行ってみないかい? もしかすると、そこから優しさの連鎖が見れるかもしれないよ。」
ハニャン:「優しさの連鎖!? わぁ〜…なんだかぽかぽかする響きだね!」
くぅちゃん:「よし、それじゃあ、優しさ探検のはじまりだ!」
ハニャンは胸の奥が、くすぐったいような楽しみでいっぱいになった。
──優しさが連鎖するところ、どんな光景なんだろう?
シーン1:花屋さん
小さな町の片隅にある花屋さん。
朝から店内いっぱいに広がる花の香りは、道を通る人たちの足をふと止める。
カウンターの奥では、年配の花屋さんが花瓶の水を替えていた。
手にしているのは、少し開きかけたピンクのバラ。
花びらを一枚そっとなでる指先は、とてもやさしい。
そこへドアのベルがチリンと鳴った。
花屋さん:「いらっしゃいませ」
入ってきたのは、少し緊張した様子の若い男性。
「…あの、妻への花束をお願いしたいんです」
声は小さいけれど、その中に強い思いが感じられた。
花屋さん:「どんなお花がよろしいですか?」
男性:「もうすぐ赤ちゃんが生まれるんです。病室に飾ったら…妻が笑顔になってくれるような花束を」
花屋さんの目がやさしく細くなった。
「それなら…」と、棚から明るい黄色のガーベラ、やわらかなピンクのバラ、真っ白なカスミソウを選び始めた。
花びらの色合いを確かめながら、花屋さんは心の中でそっと願う。
──どうか、この花束が奥さんの心をあたためますように。
ハニャンは、その願いがふわっと温かい光になって花たちに宿るのを見て、胸がぽかぽかしてきた。
「くぅちゃん、これが…贈り物の優しさ?」
くぅちゃん:「そうだよ、ハニャン。想いはこうやって形になるんだ。」
【ハニャンが見せた優しさと癒し】
この日はまだ何もしていないけれど、花屋さんの想いを全身で受け止めて、奥さんが笑顔になるように心の中で願った。
【ハニャンが学んだ優しさと癒し】
人は相手の笑顔を思い浮かべながら、その人のために何かを選び、丁寧に準備する。
その時間そのものが、優しさのあかりになるんだと知った。
ハニョンあとがき
優しさは、渡す瞬間だけじゃなく、その前から始まっています。
誰かを思い浮かべて選び、心をこめて準備する──その過程にこそ、大きなぬくもりがあるんです。
あなたも誰かのために何かを選ぶとき、その時間ごと贈ってあげてくださいね。
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